臓器移植

患者のある臓器の障害が強く、治療による回復が望めない場合に、医師はドナー(臓器提供者)と患者の両方に十分な説明に基づく同意を取り付け、臓器をドナーから患者へ移植します。これを臓器移植といいます。1997年に公布された臓器移植法では、ドナーを生存中に臓器提供の意思、並びに脳死の判定に伴う意思の書面表示があり、遺族が死者の意思を拒まないことを条件としています。そして脳死した者の身体とは、その身体から臓器移植のために臓器が摘出される者の脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止したと判断された者の身体をいうと規定しています。ということは、生前に臓器提供の意思表示しない者は、脳死であっても法律上は脳死と認められません。移植手術をする場合、医師がドナーを探したり、ドナーと移植希望者の組み合わせを決めたりすると、憶測や誤解、その他、さまざまな問題が起きる恐れがあります。そこで移植医チームから独立した移植コーディネーターが担当します。
臓器提供には、ドナーが生きている場合とドナーが死者となった場合があり、ドナーが生きているケースは臓器を移植しなければ、死んでしまうわが子を、助けたい一心から、両親がドナーとなって臓器の一部を子どもに提供するという場合が大半を占めます。そして、ドナーが死者となるケースでは、生前の本人の意思による臓器提供が必須条件です。現在の臓器移植法では、移植医療が普及、発展するためには臓器提供意思表示カード(ドナーカード)の普及が欠かせません。特に脳死下での臓器提供には、本人の生前の書面による意思の表示が必須です。脳死や臓器提供についての考え方は人に強制できるものではありませんが、提供の意思のある人は、家族とよく相談したうえで、ドナーカードに脳死判定後、あるいは心停止後に、どの臓器を提供する意思があるか・ないか、記入署名携帯し、カードの所在について家族で確認しあっておきましょう。カードは、各地の市役所、保健所、郵便局、運転免許試験場、コンビニなどにあります。運転免許証や保険証に貼るシールもあります。意思表示カードは15歳以上であれば未成年でも所持できます。

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