肝臓がんの治療
他の臓器がんと同様に肝臓がんの治療も切除が基本です。肝臓は大変強い再生能力をもっているので、がんの部分を取り去っても残った細胞が大きくなって肝機能をカバーする能力を発揮します。健康な肝臓なら8割を切除しても、残った2割が働いて肝機能は維持されます。ところが肝硬変などの病気にかかっていると、肝臓の予備力が低下しているので、切除できる割合が減ってきます。肝臓の場合、胃や子宮と違って全部を摘出することはできませんが、がんの大きさや進み具合、また患者の肝機能を考慮して手術の可否、手術の範囲などが決められます。
手術以外の方法の代表的なものが、肝動脈寒栓術と呼ばれるものです。これは、肝動脈を寒栓物質で詰まらせ、がん細胞に酸素や栄養が行かないようにして、がん細胞を壊死させようというものです。肝動脈に管を入れて、寒栓物質を注入します。この場合、肝臓には肝動脈と平行にある門派から酸素と栄養が供給されるので、悪影響はありません。一般に寒栓物質には抗がん剤を溶かしこみ、あわせて薬による治療効果もねらいます。また、がん組織に直接アルコールや抗がん剤を注入して、がんを壊死させる方法もありますが、がんが大きくなっていると、効果は期待できません。
肝硬変がなければ、手術後、肝臓の再生機能が発揮され、肝機能の回復が期待できます。しかし、肝硬変があった場合は、肝臓がんの手術をしても肝硬変が治るわけではないので手術後も十分に注意して、肝臓をいたわって暮らすことが必要となります。肝機能も手術前よりもむしろ落ち着いていることが多いので、主治医と相談しながら生活設計をしましょう。
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