肝臓がんの早期発見

肝臓がんの96パーセントは肝細胞から生じる肝細胞がんで、肝炎ウイルスに感染して慢性肝炎となり、さらに肝細胞が再構築される経緯のなかで、がん細胞が出現します。患者の約20パーセントがB型肝炎ウイルス、70パーセントがC型肝炎ウイルスに感染しており、約80パーセントは肝硬変を合併しています。アルコールのみによる肝臓がんは少なく、アルコールはウイルスによる肝臓がんの危険因子とされています。また、ほかの臓器のがんが肝臓に移転することも多く、最終的には3から5割が肝臓に移転するとされています。特に大腸がん、膵臓がん、胆のうがん、乳がんなどは転移しやすい。一般にがんが早期の場合、これといった自覚症状はありません。ましてや肝臓は、沈黙の臓器といわれるほど症状の現れにくい臓器です。このため肝臓がんは、自覚症状から発見することが難しく、腹部膨満感、上腹部痛、背部痛、全身のむくみ、食欲低下、体重減少、黄疸などの自覚症状が出た時はかなり進行しています。しかし、肝臓がんの基礎には慢性肝炎や肝硬変などの肝臓の病気があることが多く、その意味では危険因子をもっているグループが比較的はっきりしているといえるので、定期的な検査などで早期発見を図りましょう。また、体がだるいとか、酒に弱くなったという人も、これらはとくに肝臓がんの症状といえるわけではありませんが肝臓の病気である可能性もあるので、1度医師診てもらいましょう。肝機能検査では、まず血液検査が行なわれ、次ぎのような値が調べられます。

GPT
肝臓にある酸素の1つ。肝臓の細胞が破壊されると、血液中に多くなります。

AFP
たんぱく質の一種で、胎児にはあるが、成人にはほとんどみられません。ところが肝臓がんの細胞がAFPをつくるので、肝臓がんをみつける目印となる腫瘍マーカーということになります。

また、原因を知るうえから肝炎ウイルスの検査も重要です。最近は肝臓の細胞の中にあるミトコンドリアのはたらきや、ケトン体という物質を調べて、肝機能を調べるという方法もあります。このような検査で肝臓に異常が認められたとしても、それでがんだと確定することはできません。超音波診断やCTスキャンなどの画像診断や血管造影などの検査が必要に応じて行なわれます。

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