肺がんの治療
肺がんの診断後は、遠隔転移の有無を明らかにして、手術が可能か否かが判断されます。肺がんは脳、鎖骨上リンパ節、肺、肝臓、骨、副腎などに転移しやすいので、各部位への転移も調べられます。外科手術は、5枚ある肺葉のうち、がんのあるものを摘出するという方法が一般的となっています。しかし、肺は呼吸という重要な働きを担う臓器で、生命の維持にどうしても必要な器官です。機能を代替する器官がないので、たとえば胃や子宮のように、全部摘出するということはできません。また、多く摘出すると、肺活量が落ちることによって、生活に大きな影響を与えることになります。患者の状態を考えて、手術で切除できるのは2、3の肺葉にとどまります。最近では、手術で切除する部分をできるだけ小さくして、肺機能の温存を図ろうという考え方も取り入れられるようになっています。病巣の状態によっては、肺葉の狭い区域を取る区域切除や、がんの部分だけを取る部分切除などが行なわれることもあります。また、手術技術の進歩によって、従来は大きく取っていたようなケースでも、がん部分だけの切除が行なわれるようになりました。代表例が気管支形成術で、手術後に気管支をつなぐ技術の導入によって、かなり小さな切除も可能になりました。手術以外にも、化学療法や放射線治療など、いくつかの療法を併用して治療が行なわれます。化学療法ではいろいろな種類の抗がん剤が使われていますが、外科手術を受けたあとに、転移を防ぐために化学療法を行なうことも多いです。放射線療法では、対外から放射線をかける方法のほかに、気管支内に放射性物質を入れ、がんを内側から叩く方法もあります。最近では、レーザー光線による治療もよく行なわれます。高い出力のレーザーを利用して、がんを焼いてしまう方法や、光に化学反応する薬剤を注射しておいてレーザーをあて、化学反応を起こして、がんを消失させようという方法があります。
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